とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

河童(那須郡大山田村)

那須郡大山田村で言われる。川で水浴びをしていて時々人間がケタケタと笑って沈む。 程なくプウーッと浮かんでくるが、死んでいる。河童に内蔵を食われたからだ。 河童に引きずり込まれる人は肝が紫色であるという。 (『民俗採訪』 p19)

黄鮒

宇都宮の郷土玩具。黄色い鮒を食べると病が治ったことからつくられるようになったとのいわれがある。

おうらさん

矢板市泉区に伝わる。矢板の平野村におうらさんという人がおり、隣村に嫁いだ。 夫婦仲は良く、お人好しであった。そのため、保証人になり他人の借金のために屋敷まで手放してしまった。それでも黙々と働いていた。おうらさんが三十三歳の厄年のときに家に帰…

寺山観音寺の幽霊

矢板市に伝わる。 老婆が亡くなり組内のものが二人で寺山観音寺の住職に知らせにいった。地蔵坂で暗くなり、蟻が腰という所まで来ると白い着物の人が黙って二人の間を通り抜けていった。 寺につくと、住職は既に女性が亡くなったことを知っている。 驚き、…

ソラデ

各地に伝わる。 手が痛むことがあるが、それをソラデという場合がある。 栃木市では障子のさんから手を出し、男なら女、女なら男の両親揃ったしまいっ子(末っ子のこと)に黒い糸を結んでもらうと治るという。 那須郡大山田村では腕首の痛いときに「ソラ山のソ…

靴をおろす作法

靴をおろすときに「ぜにめっかりかねめっかり」と唱え、靴の裏に唾を吐きかけ二つを擦り合わせる。 金が見つかるというまじないである。

腐らない蛇

蛇年のみ行われる行事が太平山にはあるという。そのときに蛇が見つかる。その蛇は決して腐らない。神社に保存してあるとの由。

墓場の火の玉

岩舟町静和の家から風呂に入り墓をみると光るものが見えた。火の玉だと思ったが、後々鳥が夜に飛ぶと光るのだという話を聞いたので、それだろう。 という世間話。本人の体験談。 鳥が光るというのは古くから言われ『和漢三図会』に既に見える。

幽霊の腰掛け石

矢板市に伝わる。 寺山観音寺の参詣道のうち平野口から地蔵坂を登ると、右手に大石地蔵という地蔵がある。 そこから少し登った蟻が腰という狭い尾根を抜け右手の道の端に幽霊の腰掛け石という石があった。 現在は新道工事の際に埋もれたらしく見当たらない。…

慈光寺の子どもの霊

湯西川の伴久旅館に伝わる。昔、凶作や疫病で村の子ども達が次々死んだ。 慈光寺の和尚がある晩目を覚ますと本堂から泣き声が聞こえる。不審に思って行くと、死んだ村の子どもたちがお腹がすいたと泣いている。 この話を当時の名主、伴久衛門が聞き、蔵の米…

雪崩の大音響

湯西川の伴久旅館で語られた不思議な話。 ある年の冬のこと、田代山に杓子作りに出かけた村人七人が途中雪崩に逢い帰らぬ人となった。 丁度そのとき現場から南里も離れた慈光寺の本堂で雪崩の大音響がした。栃木県教育委員会編『栗山の民俗 栃木県民俗資料調…