とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

おたけさん

小山市間々田におたけ坂という坂がある。 付近の小学校に通う児童は山からおたけさんという幽霊がおりてくるという話があり恐れたという。 令和現在の子どもは知らないようだが昭和の後半までは語られたようだ。 観光のためのサイトでは以下のようなことが書…

七夕の美男美女

田沼町旧野上村に伝わる。 七夕の朝、メズラエンゲンをとりに畑へ行くと、女なら美男が男なら美女が出るという。しかし敢えて行くと気が変になるという。また十時前にそうめんを食べると風邪をひかないという。この日墓掃除をする。 (国学院大学民俗学研究会…

ルスンギョー

田沼町旧野上村で盆の十五日には、成仏できず盆棚へ来ることのできない霊を弔うための墓参りをする。このとき茄子を切ったものと団子をあげる。この成仏できない霊をルスンギョーという。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p1…

田沼町旧野上村に伝わる。 五月の辰の日には田植えを嫌う。この日田植えをすると竜に巻き上げられ、上り上り死ぬという。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p103)

狐の嫁入り(田沼町)

田沼町旧野上村での話。 昭和四十一年度の調査によると、九年ほど前とつい最近にあったという話。 四十ワットくらいの橙色の電灯のようなものが二三間おきに次々とついたり消えたりしながら関氏の家から、落合氏の家の竹藪の中へ移っていったのを見た。狐の…

カマイタチ 

田沼町。 ちょっところんだりして、普通なら切らずにすむようなとき、深く切ったりするとカマイタチにやられたという。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p102)

狐憑き

田沼町でかつていわれた。 昔は狐憑きがあった。油揚げなどを食べると憑くという。子孫に伝わる傾向があり、類を引くなどと言って婚姻に問題が生じる。狐が憑くと田沼町の祈祷師に拝んでもらう。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 196…

山の神

田沼町では猟へ行くときに山の神が嫌うとして梅干しをもっていかない。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p82)

ガチャガチャ(さいかちの実)

田沼ではさいかちの実のことをガチャガチャという方言で呼ぶ。 コト八日の大マナコの日に魔除けとして使用し、薬草でもある。 昭和四十一年度の調査時では老年層は知っているが中年層は知らない人が増えているということである。 (国学院大学民俗学研究会編…