とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

将来のフィアンセ

洗面器に水を張り、剃刀を口にくわえ、夜の十二字に覗くと将来のフィアンセの顔が水に映る。 ある女の子が試したところ、男の人の顔が映り、思わず剃刀を水面に落とす。数年後ある男性と親しくなるが、顔に傷があり、理由を尋ねたところ「お前だ―」と言われ…

火柱

宇都宮あたりでは、夜になるとまれに火柱が地に立つことがある。 遠くから眺めると、一丈くらいの高さになってしばらくの間、空中に真っ直ぐに立っている。そのあとどちらかの方向に倒れる。すると、その時からあまり日数の立たないうちに火柱の倒れた方向に…

キツネ(野木・古河)

どどっぱらのどんじろべいという人が狐に騙された。女の人の家で赤ん坊を抱いていると、急に赤ん坊が重くなり囲炉裏の中に落としてしまった。坊主になって許してもらおうと頭を丸めたが、それはきつねに化かされていたのであった。 野木から古河にお嫁に来た…

ムエンボトケ様

南河内町に住んでいる話者が実家の石橋で曾祖母から聞いた話。 神棚に上がったお茶や水はただ捨てるのではなく、「ムエンボトケ様にあげます」といって木にかけるのがよいという。話者は今も実行しているという。(南河内町史編さん委員会『南河内町史』民俗編…

七つ石

小山市に伝わる。 小山の須賀神社には七つ石といって大きい庭石が七つある。 高木敏夫『日本伝説集』(1913年に郷土研究社から刊行)には小山の木村兵からの話で小山判官遺愛の石と表札書いてあるが、四、五十年前に隣国の結城の大名に献上するため石を…