とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

椿坂の化け物 椿坂の古狸

黒磯市と那須市の境、西岩崎から半俵の間に椿坂という坂がある。半俵の半兵衛という人が駄賃つけて大田原から帰ってくると、その坂では夜になってしまう。その坂では「市兵衛さん今かい」と毎晩聞こえる。いつも声をかけてくれてありがたいからここへ来なさ…

三鬼尊

栃木市旭町にある満福寺には、3体の鬼の像が祀られている。 この青鬼、赤鬼、黒鬼を三鬼尊という。正月十六日と八月十六日の縁日には子どもをお参りさせ、それまでの悪さを懺悔させたという。 このうち中央の青鬼は体を鎖で巻かれている。 その由来として、…

大工の娘の幽霊

光徳寺を絶てるとき、柱を細かくきざんでしまった。 大工が心配して帰ると娘が、「それではマスガタをつけたらよかろう」というのでそうした。 光徳寺の建物はうまくいったが、娘が、親以上だというので恐ろしくなり殺してしまった。 それから建前のときに幽…

八内猫

高林の禅寺に高林寺というのがある。その寺の裏に墓がある。木綿畑新田の住人が大田原に駄賃付けして、夜そこを通りかかったらにぎやかな三味、太鼓の音がした。のぞいてみると狐と狸が躍りを踊っていた。その歌の文句に「八内猫が来なければ、さっぱり調子…

解石神社の解石

那須烏山市下境にある解石神社の奥の宮には御神体である解石がある。 鏡石とも呼ばれ、玄翁和尚が殺生石を那須野が原で叩き割ったときに飛んできたという。 狐の祟りを恐れた下境の人々は村の安全をいのるために社を建てたという。 (村上健司『日本妖怪散歩…

オビクニ(お比丘尼)様

昔、庚申の晩は夜明かしするものだと言われて夜遅くまで世間話をしていたものである。 その時には大豆を炒って砂糖を混ぜて食べていたものだが、ある時この豆の中にタニシが一つ入っていて、それを食べた人がお比丘尼差までその後長生きした。 (都賀町史編…