とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

蒲蘆(ほろ)

黒磯市寺子に伝わる。昔、上野原と呼ばれる広野原に十月の候の暖かい夜明け過ぎのころ夕方、蒲蘆(今でいう蜃気楼だという)が出た。 広野の草木が人馬の姿となって現れたり、数万の人数が群集して往来する様子が現れたりしたという。 また、大田原市親園(…

デイデンボメ

類 ダイダラホウシ yokai-tochigi.hatenablog.com 羽黒山は昔デイデンボメがどこからだか知らぬが、藤つるで負って来る途中でここに落とした山だとかいうことで、その証拠には近くの山々には藤つるがあるが、この羽黒山にはいまだに藤の生えた例がない。 そ…

ダイダラホウシ

類 デイダンボメ 河内地方羽黒山の由来として次のような話がある。 ダイダラホウシという巨人が、藤つるで作ったモッコに山ほど土を積んで下野の地へ来た時、つるが切れて、土がこぼれ、羽黒山が出来た。 この巨人の足跡が沼になったものが、芦沼であり、肘…

餓鬼塚

小山市にある。 隣同士の父親が、夏の日照りの時に水争いをした。仲良しだった子供たちまでもがいがみ合い、草刈りに二人で行ったときに、鎌の切れ味を競っている内に、お互いの首を切り落としてしまった。 のちに父親たちは自分たちの罪に気づき、二つの墓…

悪鼠・頼豪阿闍梨

小山市土塔には来鼠(らいそ)塚という塚がある。 昔、三井寺の頼豪阿闍梨は、延暦寺を呪うため護摩を焚いたが、満願の百日目に死に、石の体と鉄の牙を持つ八万四千匹の大ネズミとなって延暦寺に押し寄せ、仏像、お経を食い破り、諸国をかけめぐって田畑を荒…

河童のひもの

益子町妙伝寺には河童のひものがあるという。 p167

河童と家伝薬

鹿沼市磯町のYさんの家に伝わる痔の薬の由来として次のような話がある。 昔、小倉川に河童がおり、大水が出るとよく橋が流されることがあった。そうするときれいな女の人が橋の所に立ち、若い男が来ると、向こうの村に行きたいが橋が流されいけない。背中に…

釜が渕の大鯉

勝山城は現在公園になっているが、宇都宮の北東を守る要害の地にあった。城の西側は断崖で、下を流れる鬼怒川は淀みをつくり、釜が渕と呼ばれた。 ある時、勝山城が敵に攻められることとなった。城には二人のお姫様がいて、お姫様の身の上を気づかった城主は…

小島天狗

yokai-tochigi.hatenablog.com 南河内町薬師寺に伝わる。 薬師寺の三丁目の小島という家の倅は何十年も家を開けていたという。 ある時、何十年ぶりに帰って来て、母に寝ている所は決して見ないでくれといった。 しかし、母は我慢が出来ずに覗いてしまった。…

リュウトウさま

田沼町山越地区の加茂別雷神社の奥の宮に伝わる。 国道二九三号線に移築される前は、山の中にあったが、採石のために移転されている。 山越のこの神社は旧暦の五月五日に祭りが行われるが、その前日にはオヒマチの晩として賑やかであった。神楽などを村の人…

毒石

茂木町に伝わる。 応仁二年(1468)年9月29日の夜、那珂川に大きな石が現れた。 その石は毒気を出し、あらゆる生物がそれにふれて死んだ。 文明三年、宥源(ゆうげん)という行者が、鹿島大神に参詣してその意思の害を止めた。 (小島利雄編・著『下野の伝説』…