とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴーへ

ゴーへドリとも。栃木県南部に伝わる。夜泣く鳥のことであるが、子どもを脅すのに使われた。 かつては梟やミミズクなどの方言とされることも多かったが、今日は個人ごとに鳩、キジなど多様な鳥が想定されているのが現状であり、また、ゴーへに限らず鳥の生物…

僧のたたり

田沼市に伝わる。 吉水中江川に、根岸家の総本家がある。同家の近くに慶安寺があったころの昔のことである。 慶安寺の若い僧が同家の下女と情を通ずるようになり、下女は子を身ごもった。ある日、僧は曲者と思われ、夜回りの番頭に刀で斬り捨てられた。下女…

鎧ヶ渕

『岩舟町の歴史』によれば、天正の頃、皆川家の家臣、晃石太郎が上杉勢との戦に敗れた。皆川へ敗走の時、愛用の鎧をこの渕に投げ捨てた。この渕は旱天でも水がなくなったことがなかったという。 (『岩舟町の歴史』p385)

み足の印紋

岩舟地蔵尊の北に五百メートル、地蔵大菩薩が金色の光を放って現れたと言われる船の形の岩がある。 その近くに右足の跡がついた岩があり、これをみ足の印紋といっている。 河内の国の生駒の北にはやはり岩舟と呼ばれ、地蔵菩薩にゆかりのある土地がある。そ…

小野寺不動

岩舟町に伝わる。 足洗いの沢には洞窟があるが、昔そこには不動明王の仏像があった。 慈覚大師がその洞窟に百日籠って修行をしたときに彫り上げた物である。丁度、時を同じくして日光では伝教大師が裏見の滝に不動明王を彫っていた。別々に彫ったのにもかか…

ざっこ・なご 

小野寺の西根部落にざっこ・なごと言われている所があり、その由来。 昔、西根の山あいの沢に一匹の大蛇が住みついて、田畑を荒らし、人にも危害を加えることもあった。 これを見かねた勇気のある男が、大蛇を刀で斬ると、尾は今の県道の東の原っぱに落ち、…

三和観世音堂縁起

寛永年間に佐野綱家の家臣、永島勘七が大和国長谷寺の十一面観音をここに移したという。 (『岩舟町の歴史』p385)

熊鷹神社縁起

岩舟町三和赤塚の熊鷹神社は、文武天皇のころに、この里に一人の行者がやって来て「ここに神を祀りなさい、その場所は三日後にわかるでしょう」と行って去っていった。 すると東の方から一羽の熊鷹が飛んできて一ヵ所をぐるぐるまわって三日間も飛び続けてい…

鶴巻神社縁起

岩舟町和泉の鶴巻神社縁起。 藤原家の家宝である鶴巻の鎧を佐野家に返そうとして、長沼五郎が従者数名をつれ、馬で通りかかったところ、宝物の鎧を奪われた。 五郎は刀をもって龍を斬り鎧を取り返したが、それをここに祀り、五郎は僧になりこの神社に仕えた…

鹿島神社縁起

岩舟町三和、天平年間に行基がこの地を訪れ、奇瑞(未詳)を感見し常陸の鹿島神を迎え祀ったという。 (『岩舟町の歴史』p7392)

富士山のご幣

昔、駿河の富士山を登る人は、岩舟町の富士山(ふじやま)におこもりして無事に登山できるよう祈願してから登った。 ある時、富士山の神社を直すので、ご幣を一時総代さんの家へ持って行ったが、その晩火事があり、総代の家は焼けた。 後になって富士山のご…

小野寺七水

灑(れい)水井(大慈寺) 慈覚大師に供えた水 石清水(八幡宮西) 石清水八幡宮の水を持ち帰り、小野寺の八幡宮にかけた所水が湧きだした。 花川池(浄光寺)不詳 独古水(広戸沢) 日照りの時に慈覚大師が独鈷で打ったところ水が出たので独古水。 白鞍渕(…

小野寺七木

楠木(村檜神社境内)蘇訪(村檜神社境内)姫小松(村檜神社境内) 寿永のころ義経が東北に向かうとき、尾張の国の熱田神宮の御神木を分けてもってきたもの。 雲赤梅(大慈寺境内) 大師が仏前の梅をさしたところ根が付き大木になった。 荷の木(浄光寺)大…

小野寺の七石

岩舟町小野寺に伝わる。 ①黒岩座禅石(大慈寺奥の院)慈覚大師が修行をしたところで護摩を焚いたので土の中から炭が出る。心の穢れた人には登れない。 ②大黒石(村檜神社)承平二年(932年)正月甲子の日、藤原秀郷にいわれのある石という。 ③牛首石(村…

村檜神社の瓜

岩舟町小野寺の村檜神社に左甚五郎が日光へ行く途中に立ち寄り、本殿の左の柱にまくわうりを彫っていった。季節によって色が変わったり、何か変わったことが起こる前には色が変わるといわれている。 (岩舟町教育委員会編『岩舟町の歴史』岩舟町 1974年 …

餅呼び地蔵

岩舟町や大平町に伝わる。 富田宿(大平町)に一郎兵衛という餅屋がいた。この人は岩舟の地蔵を深く信心していたので、正月には大きな餅を供えていた。 その子の次郎兵衛の代になってからは、少し小さな餅にした。すると貧乏になり、孫の三郎兵衛の頃には正…

岩船山 孫太郎尊

岩舟町に伝わる。孫太郎尊はこの山の地主権現で天狗といわれ、羽団扇を紋にしている。 隣の村に昔、毛虫大尽という情け知らずの嫌われものがいたが、ある夏の夕方、孫太郎尊の社から一羽の大きな烏が出て、毛虫大尽をくわえて飛んでいった。着ていたものはひ…