米とぎ婆さん
芳賀郡の童謡に「米とぎ婆さん晩方サーラサラ 薬師様でサーラサラ 子供さらべとサーラサラ」というものがある。
米磨ぎ婆さんという人さらいが、芳賀郡逆川村の木幡村にある薬師堂に住んでいたという伝説から生まれた歌。
(加藤嘉一・高橋勝利編『下野昔話集』1975年 岩崎美術社 p167)
もとは高橋勝利「米とぎ婆さまと小豆とぎ婆さま」(高橋勝利編「芳賀郡土俗研究会報」1号 芳賀郡土俗研究会 1929年)に加藤嘉一から聞いた報告として載ったもの。「子供らは恐れて夕方は遊びに行かない」という。
また、「芳賀郡坂川村大字小貫の上のエンコブと言う所に「米とぎ婆さま」が出て「エンコブガッチャカチャ」と米を磨いでいるから、おっかないからエンコブへ近寄んなと子ども等は恐ろしがって遊びに行かない。」という報告もある。(前掲「米とぎ婆さまと小豆とぎ婆さま」)