とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

三鬼尊

栃木市旭町にある満福寺には、3体の鬼の像が祀られている。
この青鬼、赤鬼、黒鬼を三鬼尊という。正月十六日と八月十六日の縁日には子どもをお参りさせ、それまでの悪さを懺悔させたという。
このうち中央の青鬼は体を鎖で巻かれている。
その由来として、昔々冬のこと、満福寺近くの酒屋に大男が酒を買いに来てとっくりを満たしてもらい代金を払って帰っていった。
ところが翌朝、その代金は木の葉に変わっていた。何度もそういうことが続くので酒屋の主人は後をつけると満福寺付近で見失う。
住職に尋ねると、本堂の青鬼が酒臭いことがわかり、鎖で縛ったという。

(小山市博物館編・発行「妖怪現るー心の闇に潜むものたちー」2005年 p13)