モモンガア
栃木県教育研究所に「下野の故事ことわざ」調査協力校から寄せられた事例に「夜泣くと屋根裏からモモンガアが来て連れてって頭から塩つけて食べてしまう」という事例がある。(臼田甚五郎監修『下野の故事ことわざ辞典』三弥井書店 1981年 p121)
具体的な地名は分からないが日光・今市・鹿沼地区の調査協力校の事例である。
妖怪の総称としてモモンガが使われることがあり、子脅しなどによく使われた。
たとえば東京生まれの荒俣宏は子供のころに祖母が「モモンガー」と目を剥いて脅かしてきたということを述べている。
また作詞家の松本隆は子供のころに伊香保の祖母に「悪いことをすると、ももんががさらいにくるよ」と驚かされた。同氏にはそのことを歌った「暗闇坂むささび変化」という作品もある。
参考文献
永島大輝「妖怪ディスクガイドに寄す」『空亡』年末号 私家版 2018年
石丸まくひと「「妖怪ディスクガイド」のためのたたき台③妖怪ブンゲイ歌謡」 『妖怪を玩味する文化人の為の雑誌 たわらがた』私家版 2019年