栗山村に伝わる山姥。熊野沢婆。熊野沢(くまんざ)は栗山村の川俣の近くの大きな沢。イワナやサンショウウオなどを採集できる、人々の生活に欠かせない場所であった。そこに住むといわれた婆。
以下の昔話にくまんざばばあは登場する。
くまんざばばあに会い食われそうになった小僧が寺まで逃げる。小僧は和尚によって隠される。くまんざばばあと寺の和尚が問答になる。
くまんざばばあは、「くまんざあの化け物ばばあだ」と名乗り、化け物なら味噌に化けられるかと問われ、味噌に化けて和尚に食われたという話。
(柏村祐司編『栗山の昔話』随想社 2009年 p86~95)