とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

2018-04-14から1日間の記事一覧

蒲蘆(ほろ)

黒磯市寺子に伝わる。昔、上野原と呼ばれる広野原に十月の候の暖かい夜明け過ぎのころ夕方、蒲蘆(今でいう蜃気楼だという)が出た。 広野の草木が人馬の姿となって現れたり、数万の人数が群集して往来する様子が現れたりしたという。 また、大田原市親園(…

デイデンボメ

類 ダイダラホウシ yokai-tochigi.hatenablog.com 羽黒山は昔デイデンボメがどこからだか知らぬが、藤つるで負って来る途中でここに落とした山だとかいうことで、その証拠には近くの山々には藤つるがあるが、この羽黒山にはいまだに藤の生えた例がない。 そ…

ダイダラホウシ

類 デイダンボメ 河内地方羽黒山の由来として次のような話がある。 ダイダラホウシという巨人が、藤つるで作ったモッコに山ほど土を積んで下野の地へ来た時、つるが切れて、土がこぼれ、羽黒山が出来た。 この巨人の足跡が沼になったものが、芦沼であり、肘…

餓鬼塚

小山市にある。 隣同士の父親が、夏の日照りの時に水争いをした。仲良しだった子供たちまでもがいがみ合い、草刈りに二人で行ったときに、鎌の切れ味を競っている内に、お互いの首を切り落としてしまった。 のちに父親たちは自分たちの罪に気づき、二つの墓…

悪鼠・頼豪阿闍梨

小山市土塔には来鼠(らいそ)塚という塚がある。 昔、三井寺の頼豪阿闍梨は、延暦寺を呪うため護摩を焚いたが、満願の百日目に死に、石の体と鉄の牙を持つ八万四千匹の大ネズミとなって延暦寺に押し寄せ、仏像、お経を食い破り、諸国をかけめぐって田畑を荒…