とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

幽霊の腰掛け石

矢板市に伝わる。
寺山観音寺の参詣道のうち平野口から地蔵坂を登ると、右手に大石地蔵という地蔵がある。
そこから少し登った蟻が腰という狭い尾根を抜け右手の道の端に幽霊の腰掛け石という石があった。
現在は新道工事の際に埋もれたらしく見当たらない。
また、別の説には観音寺の門をくぐって右の大銀杏の根元の石を幽霊石という人もいる。
人が死んだあとに魂が寺にむかうが、幽霊も息が切れるのか、たいていの幽霊が腰をおろして一休みする石だという。とくに女性の霊は髪をくしけずったり着物を直していくという。

(矢板市文化財愛護協会編『やいたの昔の話』随想社 2015年)

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