とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

火柱

 宇都宮あたりでは、夜になるとまれに火柱が地に立つことがある。

 遠くから眺めると、一丈くらいの高さになってしばらくの間、空中に真っ直ぐに立っている。そのあとどちらかの方向に倒れる。すると、その時からあまり日数の立たないうちに火柱の倒れた方向に火事がある。

 この話を現に見た人が何人もいるという。 

 栃木県生まれの歌人半田良平の話。

(高木敏夫『日本伝説集』ちくま学芸文庫 2010年 p210)