とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

おたけさん

小山市間々田におたけ坂という坂がある。

付近の小学校に通う児童は山からおたけさんという幽霊がおりてくるという話があり恐れたという。

令和現在の子どもは知らないようだが昭和の後半までは語られたようだ。

 観光のためのサイトでは以下のようなことが書かれる。

江戸時代、日光街道・間々田宿のある旅籠に「おたけ」という、親孝行で美しい看板娘がいた。
おたけは、将来を誓った相手である使用人・佐平がいたが、親の決めた縁談を断りきれず、ついに2人で家を出ることを決意する。
婚礼の前夜に、上州に逃れようと家を出た2人であったが、見つかってしまい、追いついてきた者と揉み合いになった末、彼らが手に持っていた鎌が当たり2人とも亡くなってしまう。
かわいそうなおたけに同情した人々はいつしか彼女たちの墓碑のあるこの坂を「おたけ坂」とよぶようになった。」(とちぎ旅ネット https://www.tochigiji.or.jp/spot/7862/ 2020年7月20日閲覧)

この話とは別におたけという女性に関する説話は各地にみられる。

おたけとは江戸時代に実在したとされ、大日如来の化身だといい各地に墓などが残っている。江戸時代の流行り神ともいえる。ところがここでは学校の怪談と化している。在地の伝承が学校で語られるのは本来自然なことである。