喜連川町は鷲宿梶内にある地蔵堂のご本尊は見ると眼がつぶれると言われる。十年に一度、ご開帳があり、お召し替えがあるが、松岩寺住職が丑三つの刻に行うため、通常見ることはできない。
若者たちが見てやろうと堂を覗くが見えないので、小刀で羽目板を切り抜いたものがあった。
その後、地蔵に石打ちをした。すると、お堂の東の廂の下からもやのようなものが出て来た。
その後、ある若者は発熱し数刻ののち悶絶、別の若者は数日ののち発熱し他界した。
このことがあってから悪戯をするものはなくなったという。
(『喜連川町誌』p529~530)