地蔵を縛る
鈴木霊嶺が田中貢太郎に語った話。明治43~44年の頃の話。
栃木県芳賀郡中村では干瓢が重要な作物であった。
石島と竹田という農家の家の畑から干瓢が盗まれる。
二人は地蔵に参詣したがききめはなかった。十四日目の晩に荒縄を持っていって地蔵の首を締め「苦しければ盗人に祟れ」というと、翌日ある男が急病で首が締まるといっているという。男が自白したので地蔵にお供えをして願ほどきをしたので、首の苦痛もすぐになおったという。
(「石地蔵の首を締める」田中貢太郎『日本怪談実話〈全〉』2017年 河出書房新社 p199~201)
地蔵に願をかけるときに荒縄で縛る、しばり地蔵の例は各地にある。強請呪術の代表的な例としてあげられることが多い。
カキツルサマ
http://yokai-tochigi.hatenablog.com/entry/2018/03/25/233538
もどういう意味なのかは不明だが縛って探し当てるということは一致している。