2018-11-21 神隠し 田沼町の野上村での話。 ある日村内の子どもがいなくなった。消防団を動員して一晩中探したが見つからない。 ところがその次の日にその子が大木の根本にボーッとして立っていた。その子の話によると、自分が夕方山道を歩いていくと、何やら白いものが見える。近づくと白装束で白ひげの老人が大木の根本に立っていて、「さあ行こう」といって、自分を背負ったと思うと空へ飛び上がった、そのあとは覚えていないが気がつくとここへいたのだという。 (国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p75)