とある地域の妖怪事典blog

下野国を中心として、怪異妖怪俗信など広く拾っていきたいと思います。地域の文化や伝承の再発見、教育のためなど広くご活用いただければと公開しました。

天狗だおし

田沼町に伝わる。
山仕事に行って昼寝をするときに山の神様に「いついつになったら起こして下さい」といって寝る。するとその時刻になると大木の倒れる大音響で目が覚めるが、何も倒れていない。
(国学院大学民俗学研究会編・発行『民俗採訪』四十一年度 1967年 p75)
山中の怪音は全国にあり、木が倒れる音がするが見に行くと何もないという話は多く報告される。
空木返しやイタチの木倒しなどと様々な呼び方があり、その原因もカシャンボ(和歌山県)やフルソマ(高知県徳島県)など多様なものがある。
この例のように目を覚まさせてくれるものは全国的には珍しい。守ってくれる山の神様の要素が強いのであろう。