松谷みよ子現代民話考にある、宇都宮市内の中学校の噂。
校庭を広くしようと近くにあった墓を潰して拡張した。そのうち雨がしとしとと降る日はお墓のあった場所だけが濡れず乾いたままであるという。
(松谷みよ子『現代民話考』第二期 Ⅱ 学校 p25)
雨が降るときにそこだけ乾いているという怪談として考えると、皿屋敷のバリエーションの一つとみられる九枚筵などが類例になる。筵一枚分の麦を売ったという冤罪で、井戸に身投げをし死んだ娘の幽霊が出た。そのため井戸のあった屋敷は滅んだが、その土地は筵九枚分は雨が降っても湿らなかったという。