類 ダイダラホウシ
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羽黒山は昔デイデンボメがどこからだか知らぬが、藤つるで負って来る途中でここに落とした山だとかいうことで、その証拠には近くの山々には藤つるがあるが、この羽黒山にはいまだに藤の生えた例がない。
それからデイデンボメは山に腰をかけて鬼怒川で足を洗ったそうだ。
いま葦沼にある二つの沼はその時の足跡で、鬼怒川に沿って広さが二反ほどあるが、葦沼というのは足沼ということである。いまでも法外に足の大きい者がいると、土地の人はデイデンボメ様だと言って笑う。(高木敏雄『日本の伝説』筑摩書房 2010年(底本は郷土研究社1913年) p21~22 )