田沼町山越地区の加茂別雷神社の奥の宮に伝わる。
国道二九三号線に移築される前は、山の中にあったが、採石のために移転されている。
山越のこの神社は旧暦の五月五日に祭りが行われるが、その前日にはオヒマチの晩として賑やかであった。神楽などを村の人がやっていたという。
夜が更けたころ南の方を見ると唐沢山の方から、火の玉のようなものが二つか三つこちらへ飛んで来るのが見えるという。これをリュウトウさまと呼び、村の人はこの火の玉に豊作や田の水に困らないようになどお願いをした。
リュウトウさまはオヒマチの晩にしか見えないため、オヒマチになると「リュウトウおがみにいぐべえ」といって出かけたという。
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